動きを診る
治療をする時に大事にしているポイントとしていることが幾つかあります。
その一つが何かと言うと【体全体の動き】なんです。
様々な痛みの種類、またその痛みという反応(現象)が起きるのにも様々な原因があります。
様々な原因があるんですが、そのどれもが日常生活で何気なしに動かしている自分の体の
動かし方の癖からきていると考えています。
例えば「歩く」という行為で言うと、特定の疾患のない子どもであれば、成長過程で歩けるようになります。
歩けるようになるまでは、自分なりにバランスをとり、自分の体を動かすにあたり無駄のないように体を使い
歩けるようになっていきますが、成長過程の中で、自身を取り巻く環境だったりが、少しずつ体のバランスを崩しだし、
体の使い方に❝無駄❞が出てきます。
よっぽど専門的にスポーツでもしていない限り、そのバランスが崩れていく過程に気付くことはありません。
人間の体は、バランスが崩れてしまった状態の中で、自分が動かしやすいやり方で体を使おうとします。
その自分なりの使い方をし続けることで、その人それぞれの“癖”が生まれるのです。
この動きの“癖”が痛みを誘発する原因の一つとして考えています。
だから、患者さんの痛みを治すときは、色んな動きを患者さんにしてもらって、
患者さんの体での左右での動かし方の差異をチェックしたり、正常な動かし方と患者さんの動かし方
とを比較したりして、痛くなる原因を探るようにしています。
ただ、動きを見るだけではなく、どうしてそのように動かすようになったのか!?
そこに至るまでの原因が必ずあるので、そのあたりまで理解を深められるように、患者さんと
コミュニケーションを図ることがとても重要になってくるんです。